University of Chicago Law School(シカゴ大学)のLLM情報

LLMの1学年の人数が75名程度の小規模ロースクール。大都市シカゴの郊外ハイドパークに位置する。

生活コストは高め(このサイトでは、シカゴは全米で11番目に生活コストが高いと紹介されている)。

求められる英語要件が高く(TOEFL iBT 104点以上)、募集人数も少ないことから、米国中部における最難関ロースクールとなっている。

公式HPはこちら

LSACの学校紹介ページはこちら


ロースクールランキング

Best Law Schools (U.S. News): 総合4位タイ (2021)


場所

イリノイ州シカゴ市


人数

LLM: 70~80名/年
うち日本人: 5名程度/年


コスト

学費: $73,185 (2022-2023)
生活費等を合わせた必要予算: $108,063 (2022-2023)
公式ウェブサイト


英語要件(公式)

TOEFL iBT 104点以上
IELTS 7.5点以上


英語要件(非公式)

公式英語要件は足切り要件として厳格に運用されている様子。


Chicago LLM 出身・在学中のTwitterer
弁護士 古市 啓 先生(MHM)2016-2017

 

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LL.M. INFO(LLMインフォ)
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 by 匿名

シカゴ大学での留学生活は非常に充実したものであり、総じて大満足でしたので、LLM進学先としてとてもお勧めです。もっとも、規模が大きくないこともあり、あまり情報が出回っていない気もしたことから、参考程度ですが体験談を記載しておこうと思います。

[UChicagoのいいところ]
① 規模感、ダイバーシティ
LLMは、70-80名程度と中小規模であり、特定の国籍に極端に偏らない分布となっていたため、1年間で仲良くなるのに最適な環境でした。英語に自信がなく自分から積極的に話しかけることが難しい場合でも、自然体でいれば日本人以外との交流の機会が発生するため、大規模校だと気後れしてしまう、日本人以外と仲良くなれるか不安、という人には特に丁度良いサイズ感であるように思います。授業はLLM生向けのクラスもわずかに設けられていましたが、基本的にはほぼ全てJD生と一緒の授業を受けます。
② 学内イベント
学生同士(あるいは学生と教授間)の交流を促進するための行事や企画が頻繁にあり、大学側がそうした取り組みに対して本当に積極的だと感じました。基本的に学生生活はロースクールの建物で過ごすことになりますが、ロースクール生が使用するラウンジがあり、そこで毎週決まった曜日に、コーヒーとドーナツの無料配布(通称Coffee Mess)や、ワイン等の飲み物の無料配布(通称Wine Mess)がなされ、交流が図られていました。また、各国のLLM生がそれぞれ自国文化を催したパーティーを順番に開催するという慣習があるのですが、学校から都度金銭的な補助が出ていました。その他にも、大学側がJD生とLLM生でランダムにグループを作り、そのグループで食事やスポーツ観戦など好きなことをしてくるよう金銭的な補助を出してくれるなど、非常に面倒見が良い学校でした。
③ 学業面
やはり優秀だなと思わされるような人が多く、全体的に勉強熱心という印象でした。授業については、教授による授業と実務家教員による授業が、いずれも幅広く揃っていたので、自分の専門性に合わせた履修が可能でした。また、ほぼ毎日、ロースクール棟で昼食付のランチトークという、教授や米トップローファームの弁護士等による講演が開かれており(日によっては2-3種類)、これも自由に参加できました。
④ クオーター制
シカゴ大学は珍しくクオーター制のため、3学期分授業を受けることが出来ます。NY Barの受験資格との関係で、一般にLLMは意外と授業選択の幅が狭くなりがちという悩みがありますが、3学期あるおかげで、興味分野の授業を多く受けることができました。その分期末試験が3回あるという点が少し億劫ではありましたが、期末試験がない科目やレポート科目を選ぶことなどにより乗り切りました。
⑤ キャンパスが綺麗
シカゴ大学のキャンパスは、いわゆる「アメリカの大学」という雰囲気で、大きな敷地にイギリス風の荘厳な建物があり、とにかくカッコ良かったです。建物の外壁をツタが覆っているのが特徴的で、四季に応じて見た目がガラリと変わっていました(春夏は緑葉、秋は紅葉、冬は時々雪景色といった具合です。)。なお、ロースクール棟自体は現代的な建物ですが、有名な建築家によるものらしいです。
⑥ 日本人とのネットワーキング
他の日本人LLM生との交流はもちろんですが、MBA(Booth)や公共政策大学院(Harris)の日本人との交流イベントもあり、またシカゴという都市自体に駐在の日本人がそれなりにいたため、規模がコンパクトなせいで日本人との交流の機会が少なくなる、という心配は全くないと思います。

・備考
シカゴ大学ではLLM生向けのアメリカ法に関するサマープログラムというものは用意されていなかったため(大学の留学生一般を対象とした語学プログラムはありました。)、代わりに他のロースクールのサマープログラムに参加する方が多くいました。他の学校や都市の雰囲気を楽しむことができるので、進学先と異なるサマープログラムに参加することはむしろアメリカ生活を満喫する観点からお勧めできるように思います。

[UChicagoのいまいちなところ]
① 卒業のタイミングが遅い
(クオーター制の影響もあり)他のロースクールと比較して卒業時期が少し遅いため、NY Bar対策を卒業してから開始すると出遅れた感があります。
② 通学がめんどくさい
ダウンタウンに住んだ場合、ハイドパークにある学校まで40-50分かかることが面倒でした。なお、家族帯同者はダウンタウンに住み、単身者はハイドパークに住む傾向にありましたが、ダウンタウンは比較的安全で、ハイドパークの周辺地域が治安的に不安と言われていました。

[シカゴという街について]
日本人からすると、シカゴは名前は有名であるものの中々訪れる機会がない都市かと思いますが、住みやすくとてもお勧めできる環境でした。建築物がとにかく綺麗で、現代的な建造物と歴史的な建造物が林立して成り立っている摩天楼の迫力には圧倒されるものがあり、シカゴ川を挟んだ街並みはお洒落な大都会という様相でした。エンタメは豊富であり、美術館、博物館、各種スポーツ観戦(NBA、MLB、アメフト、アイスホッケー)、オーケストラ、ミュージカル、オペラ等々、学割を利用しつつ、1年間飽きることなく生活できました。物価は中西部ということでNYや西海岸と比べると大分現実的な水準(特に家賃)であったため、豪華なマンションに住むことができました。車はなくとも生活に支障はなかったです。NY、LAに次ぐ第三の都市ということで大都市ではあるものの、エンタメや観光地が割とコンパクトにまとまっているという意味では、福岡や札幌などの地方都市に似たイメージとも言えるかもしれません。純粋にめちゃくちゃ楽しかったです。
ネガティブな面としては、強いて言えばやはり治安と冬の寒さが挙げられるかと思います。ただ、治安が悪い地域には用がないので、ロースクール生の行動圏内について言えば、他の主要都市と比べて特別治安が悪いわけではありませんでした(ダウンタウン自体は安全で清潔な方)。気候については、冬であっても雪の頻度自体は高くなく根雪があるわけではないため、いわゆる雪国というイメージとは異なるものでした。風が寒く、特に寒波が来たタイミングでは確かに日本にはないレベルの寒さだなと思いましたので、日本で冬が特別嫌い、という方にはネックになるかもしれません。一方で、夏はミシガン湖に入れるくらい暑く、四季が明瞭であることから季節と紐づいて思い出が残るのは良かったです。