アメリカの首都ワシントンD.C.に位置し、国際関係や規制関係の授業に定評がある。
ロースクールランキング
Best Law Schools (U.S. News): 総合14位 (2021)
場所
ワシントンD.C.
人数
LLM: 550名程度/年
うち日本人: 10~15名/年
コスト
学費: $74,340 (2022-2023)
生活費等を合わせた必要予算: $105,534 (2022-2023)
公式ウェブサイト
英語要件(公式)
TOEFL iBT 100点(かつ各セクション25点)以上
TOEFL PBT 600点(かつ各セクション60点)以上
IELTS 7.5点(各セクション7.0点)以上
英語要件(非公式)
TOEFL iBT 90点が目安。86点での合格情報あり。
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Class of 2025の現役ジョージタウン生です。ジョージタウンロースクールは総じて大変おすすめのロースクールです。
1. 入学について
・大きなメリットとして、かなりの割合で奨学金が出ることがあげられます。金額は年によって差があるかと思いますが、2024年は30,000~40,000ドルの奨学金が出ており、在校生のかなり多くの割合の学生が奨学金を受領して入学しています。そのため、上位のローに合格してもあえてジョージタウンを選んで来ている方も多いです。円安の昨今、LLMにかかる学費は留学生の大きな問題の一つですので、コストを下げたい方には魅力的な選択肢になりえます。おそらく一番安く(伝統的)T14に入学できる手段ではないかと存じます。
・TOEFLについては、昨年は、100点以上はインタビューなし合格、90点台後半はインタビューを経て合格、というのが一般的な傾向でした。90点台前半の方も何等かの理由がある場合は合格されてる方もいます。なお、奨学金に関しては、TOEFL100点以下でも受領している人が多いため、TOEFLの点数のみで決まってはいるわけではないようです。
2. カリキュラムについて
・ジョージタウンの強みは、なんといってもD.C.という実務家教授の多い土地柄を生かしたカリキュラムの豊富さです。特に、税法、金融規制法、ヘルスロー、WTO関係、国際紛争解決(特に国際仲裁)に強いです。他校では見ないような専門性の高い授業やゼミ形式の少人数生の授業も数多くあり、履修登録の際は毎回取りたい授業が多すぎて絞り切れず苦渋の選択を迫られることになります。上記の分野を中心として、LLM学位と並行して取れるCertificateプログラムも充実しているため、専門性を高める目的でLLMに来られる方にはとてもおすすめです。
・D.C.という土地柄ゆえ、官僚や政府職員向けや規制法よりの授業ばかりなのではないかという印象を持たれがちなのですが、確かに政府職員による授業や規制法関係の授業は数多くあるものの、同時に企業法務の弁護士、インハウス、企業の法務部員に刺さる科目もかなり多くあります。例えば、実務家教授が契約書のレビューの仕方を教えるDrafting Contractsの授業は人気科目のひとつです。
・下の方も書かれていますが、サマースクールの授業は今でも定評があり、Introduction to American Lawの授業は素晴らしい内容でした。同時に、サマースクールの期間はTeaching Advisorの方が数多くのイベントを企画してくれ、LLM生の数もまだ少ない時期(今年は総LLM生が約500名いるうちの80名弱が参加)であるため、一番友達を作りやすい時期です。ジョージタウンに来られる場合はサマースクールへの参加を強くお勧めします。
・(非法曹向け)NY Barの取得を目指されていてかつ日本の法曹資格のない方は、受験資格とは別にNY Barの登録資格であるSkill Competency Requirementsを充足する必要がありますが、ジョージタウンは、UCLAやU Pennと並んでPathway 1の証明書習得プログラムを提供しています。そのため、Pathway 4の6か月の米国国内研修を所属されている企業等でアレンジできない方にとっては有力な選択肢になるかと思います。ジョージタウンのPathway 1はサマーも含めてMaxで取得できる単位30単位のうち24単位分が必修となるため、他校同様厳しい制約ではありますが、必修科目の殆どがBar科目であるため、Bar対策にはなりますし、NY Barの履修要件である12単位分は自動的に履修できるようになっています。私個人は、専門性の高い科目は1単位のミニコース等も多くあるため、残りの6単位を柔軟に専門的な科目に振ることができ、かつ多くの教授が聴講も許可してくれるため、Pathway1を履修しつつ、専門的な科目についても十分満足な履修ができています。
3. 生活環境について
・物価高の昨今、都会で生活するにあたり、ニューヨークやカリフォルニアで生活するよりも生活コストが安く、かつ治安もそれほど悪くないという意味で、バランスが取れていると思います。私のアパートは、D.C.中心部のキャンパスから近い単身用のStudioで月1800ドル(相場はStudioでだいたい2000ドル前後です)ですが、この家賃でNYやCalでアパートを借りるのはかなり厳しいのではないかと存じます。学校から20~30分程度のエリアを選べばよりコストを下げることも可能です。なお、寮は今まで学内の寮のGewirzが古い寮であったため、あまり人気がなくオフキャンパスに住む人が多かったですが、寮の改修のため2025年から既存の学内寮は閉鎖となり、近くのオフキャンパスのアパートを寮として運用する予定とのことです。
・治安は思ったより悪くありません。下の方が書かれているのと同様危ないエリアは学校周辺で生活している限りではあまり立ち入らないエリアにあります。また、学校周辺はホームレスの数も少ないです。
・学校から徒歩圏内で入場無料のスメソニアン博物館エリアに行くことができ、日本では絶対に見られない数々の有名絵画等を楽しむことができます。また、バスで30分ほど行くとジョージタウンのメインキャンパス(ローキャンパスとは別の場所にあります)周辺に出ることができ、おしゃれなカフェやショッピングも楽しめることができるため、政治都市の印象とは裏腹に以外と楽しめる場所が多いのもポイントです。世界各国から人が集まっている故、各国料理のレストランが多く、日本食レストランも多くあります。
・今年が選挙イヤーだったということもありますが、国会議事堂等のあるCapitol Areaの徒歩圏内であるため、激動するアメリカを肌で感じることができます。
・日本人も多く住んでいるため、D.C.で働かれている日本人法曹の方との交流会や(学校によっては)所属大学の交流会等を通じて、日本に帰ってからも活きるような日本人間のネットワーキングもしやすいです。
4. 学生について
・日本人LLM生は、例年は10~15名ほどとのことですが、今年は8名と少々少な目です。省庁出向・裁判官・検察官の方が毎年一定数居られるため、所属が偏りすぎず、日本では築けないようなコミュニティを築くことができるのもとても良い点です。
・LLM全体の生徒数は約500名程度で、出身国は中国・ラテンアメリカ・インドの方が多いです。西海岸の学校に比べるとアジア人の比率が少な目ではないかと存じます。ダイバーシティを歌っている学校かつ人数の多い学校ということもあり、上記以外でも例えばヨーロッパ・中東・東南アジア等世界各国から学生が集まっています。
学校選択の際は本当に悩みましたが、間違いなく人生のハイライトになるような充実した日々を送っており、ジョージタウンに来て本当に良かったと思っております。
良いロースクールだと思います。
DCという場所も含めて海外生活やアメリカ生活に慣れていない方にも過ごしやすいところだと感じました。
以下、詳細は他の方が書かれているので、入学前に個人的に気になっていた点のみコメントします。
・大人数のロースクールである点について
全米で2番目か、3番目に人数の多いロースクールですが、特にデメリットは感じませんでした。大教室の授業ばっかりといったことは一切なく、少人数の授業も沢山あります(例えば、実務系のライティングのクラスは12名ぐらいのゼミ形式でした。)。
人気のあるクラスの履修登録が定員ありの先着順で、必ずしも希望の授業が取れる訳ではないというのはありましたが、他の人数の少ないローでも似たようなものと聞いてますし、私自身は秋春共にWait listに乗ることすらなく第一希望の授業を履修できました。
・治安について
特に問題はなく、むしろ都市部にしてはいい方だと思いました。確かに、大学周辺でも場所によっては路上に若干怪しげな人達がたむろしている場所(Union StationやChina Townなど)があったり、時折重大な事件も起きています。ただ、本当に治安が悪い地域は、普通に生活していれば訪れない離れた場所にあり、特に身の危険を感じるようなこともありませんでした。大学から最寄りのMetro駅Judiciary Squareまでは、全く危ない感じはありません(途中にFBIのビルがあるせいかよくパトカーも止まっている)し、授業で夜遅くなっても下校する他のジョージタウン生がたくさんいるので危険は感じませんでした。
住居については、通学に30-40分かかるのに問題なければ、近隣のメリーランド州やヴァージニア州に住むとより治安が良くて安心かと思います。
・公共交通機関について(安全性、車の必要性)
メトロが安全かつ非常に便利なため、車がなくても問題なく暮らせます。少なくとも私が利用していたRed Lineについては、10分に一本程度の高頻度で電車があり、23時頃の終電でも人が沢山乗っており、遅い時間の授業の帰りでも特に危険は感じませんでした。2つの空港含めほとんど全ての場所にメトロで行けるため、公共交通機関については非常に充実した場所だと思います。なお、メトロ以外にもバスが沢山走っている他、無料で利用できるロースクールのシャトルバスもあり、交通で不便を感じることはないと思います。
2022年LL.M卒です。
全体的にとてもおすすめです。
以下、良かった点を箇条書きで記載します。
なお、このサイトでTOEFL90点が目安と書いてありますが、(年によると思われるものの)実際には90点台後半ないと厳しいイメージです。
・サマープログラムで、NY Bar必須科目を4単位分前倒しできるため、秋学期・春学期に好きな授業を多めにとることができる。
・LLMのプログラム自体に多くの種類があるうえ、授業の種類も非常に多い。
・テストではなく、ペーパーが履修要件である授業も多く、教授に頼めばオフィスアワーでペーパーの内容を見てもらえる。
・LL.M全体で500人くらいいるが、日本人は10~15人と、比較的少なめ。
・20人未満の少人数の授業が多い。
・DCの中心部にあるため、ネットワーキングがしやすい。
・地下鉄が整備されているため、ダウンタウンに住むのであれば車が不要
・NYや西海岸に比べると家賃が安い(大学の周りに住んで、Studio 月1800ドル、1 bed room月2500ドルのイメージ)。
・大学の周りの治安は急速に改善しており、実際には、ネットに記載されているほど悪くない。
・連邦最高裁判所や連邦議会の見学ができるし、スミソニアン博物館はいずれも無料で訪れることができる。
・4大スポーツのチームがあり、アイスホッケー以外のチームはあまり人気がないので、チケットが他の街のチームに比べて安い。
・3月から4月にかけて毎年行われる「全米桜祭り」を見ることができる。
2018-2019卒です。
ジョージタウン大学ローセンターLLMは、総合的に言ってかなりおすすめです。
1. 政府機関職員の授業が充実
私は金融関係の授業を多く受講しましたが、ワシントンDCという地の利を生かし、SEC等の現役職員(コミッショナー)の授業が複数個開講されており、実務面の話も豊富に聞くことができます。また、元連邦政府機関の実務家(弁護士)教員の授業も豊富であったように思います(個人的には、元FERC職員の弁護士の授業を受講しました)。
Academicな授業とProfessionalな授業のバランスがよいと思います。
2. サマースクールの単位
ジョージタウンローのサマープログラムでは、単位を取得することができ、その単位を卒業・司法試験受験のために必要な単位に参入することができます。すなわち、特に(ニューヨーク州)司法試験の必須科目をサマーで前倒しで受講することができるので、LLM本番の秋学期・春学期に多少のゆとりができ、専門科目等も多く受講することができます。
他のロースクールでは、サマースクールでは単位は取れないプログラムであることも多く、その場合、秋学期・春学期に卒業・司法試験受験のための単位をすべて取ることになります。結果として、お目当ての専門科目をあまりとることができなかった/逆に司法試験受験をあきらめて専門科目に集中した、という話を聞くこともありましたので、ジョージタウンでは単位が参入されるのは、(特に司法試験と無関係な専門科目を多く取りたい人にとっては)望ましいかと思います。
ただし、ジョージタウンのサマーは、予習量なども多く、かなりきついです(人によっては秋・春よりきついという人もいます)。他のローの方が文字通りサマーを満喫する情報が入ってくる中、楽しい夏を勉強に捧げることになります(笑)。
※2020年はCOVID-19の影響もありますので、ここに書いた内容と違ってくるかもしれません。
3. GULCの学生
私がいた時期は、日本人留学生の数は(Two-Year LLMも含めて)20人弱程度であったかと思います。大手法律事務所の弁護士だけでなく、企業派遣の方々も相当数いらっしゃいました。
学生のレベルは高く、特にJD生と混合の授業ではJD生に圧倒されます(どこのローでもそうだと思いますが。。)。
4. ワシントンDC
ワシントンDCには、連邦最高裁判所、連邦議会をはじめとする機関がありますが、これらがいずれも大学から徒歩圏内にあります(サマースクールのプログラムでは、連邦最高裁、連邦議会に遠足に行きました。例年開催しているようですが、一般見学では見られないエリアも見せてもらうことができました。)。スミソニアン系列の美術館、博物館その他も充実していて、全部回りきるのも大変なほどです。
ワシントンDCは、住む場所としても理想的だと思います。地下鉄が非常に整備されているので、車を買わなくても、地下鉄(+UBER)で、DC+DC近郊エリア(バージニア、メリーランド)は基本的にどこにでも行けます。合衆国首都と大都会のはずではありますが、道も建物も広々としていて、緑も多いです。
ワシントンDCというと、全米屈指の治安が悪いエリアと言われていた時期もあったようですが、確かに治安が良くないエリアもありましたが、特に(私が住んでいたメリーランド州ベセスダでは)夜に女性一人で出歩いても不安を感じたことはありませんでした。大学の周辺は、あまり治安がいいとは言えないエリアのようでしたが、それでも特に危険な目に遭ったことはなく、大学近郊に住んでいる日本人の方も見受けられました。
ジョージタウンローLLMで過ごした1年は、人生のうち最も充実した時間の一つであったといっても過言ではありません。
2018-2019LLM卒です。
(1)カリキュラム
アメリカの首都ワシントンD.C.にある大学ですので、その地の利を生かして、例えば以下の分野では強みがあります。
①税法:キャンパスの斜向かいにTax Courtがあります。税法専門のLLMコースがあり、国外のみならず、アメリカ国内の弁護士も税法の専門性を身につけるために在籍しています。
②金融規制法:規制当局者の授業があるとの理解。
③国際仲裁:国際銀行の一機関であるICSID(国際投資仲裁解決センター)がワシントンD.C.にあるので、そこの職員による授業があります。他にも、国際商事仲裁の授業も充実。
そのほか、サマースクールには定評があります。Introduction to American Lawという授業では、アメリカ法の各法分野の代表的な判例等をケーススタディで外観しながら、英法由来の法体系を基礎としつつもドイツ系など様々な移民を受け入れてきたことを背景として、イングランド法とは独自の法体系を築き上げてきたことや、アメリカの法曹の条文や判例などの解釈態度など、アメリカ法を学ぶ上で基礎的でありながらなかなか個々の授業ではアクセスされない重要なことが学べます。
正直、この授業を受けられれば、留学の目的を6割は達成できると思っています。
(2)生活
物価水準は、ニューヨークほど高くはないものの、東京よりは少し高いといったイメージです。
家賃は、私の住んでた部屋は、月1800ドルでしたが、家族連れの部屋としてはかなり安い方で、2000ドル台が多いと思います。一人暮らしの場合は、もう少し安い部屋もあるでしょうし、他のクラスメイトなどとシェアハウスして家賃を抑える人もいます。キャンパス内にも寮がありますが、高くて狭くて古いので、キャンパス外に住む方が多いです。場所は、近接するメリーランド州のベセスダか、バージニア州のアーリントンあたりが人気です。