誰もが知るアメリカ西海岸の最難関ロースクール。
シリコンバレーに位置している(サンフランシスコからは1時間程度)こともあってか、自ら起業したりスタートアップ企業に進む学生が多い名門校。
土地柄、生活コストは高い(サンフランシスコは全米でニューヨークに次いで生活コストが高い地域)。
以下の4つの専攻科目が用意されており、出願時点で選択する必要がある。中でもCGPは企業弁護士に人気の専攻。
– CORPORATE GOVERNANCE & PRACTICE
– ENVIRONMENTAL LAW & POLICY
– LAW, SCIENCE & TECHNOLOGY
– INTERNATIONAL ECONOMIC LAW, BUSINESS & POLICY
日本人枠は各専攻につき毎年1~2名しかなく、高い能力(英語力)が求められる。
ロースクールランキング
Best Law Schools (U.S. News): 総合2位 (2021)
場所
カリフォルニア州パロアルト市
人数
全体 (JD, LLM) : 570名程度
LLM: 各コース15~20名/年
うち日本人: 各コース1~2名/年
コスト
学費: $66,924 (2022-2023)
生活費等を合わせた必要予算: $104,985 (2022-2023)
公式ウェブサイト
英語要件(公式)
TOEFL iBT 100点以上
TOEFL PBT 620点以上
英語要件(非公式)
TOEFL iBTで105~110点は欲しい。99点での合格情報あり。
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【出願】
・次の4つのプログラムがあり、アドミッションはプログラムごとに行われる。①Corporate Governance and Practice(CGP)、②International Economic Law, Business & Policy(IELBP)、③Environmental Law and Policy(ELP)、④Law, Science and Technology(LST)。
・過去にTOEFLスコア103、104で合格者あり。コースによってTOEFLスコアの重みは異なる可能性があるため、できるだけ高スコアを取っておきたい(特にCorporate Governance & Practiceプログラムは競争が激しく、TOEFL高スコアが求められる傾向がある。)。
・定員はLLM全体で70名ほどだが、各コース約15~17人。上述のとおり、各コースごとにアドミッションを行っている模様で、15人前後の枠に数百人規模で出願者がいる様子。
・日本人は通常4〜5人程度(各プログラム1~2名)、多い年は9人いたことも。
【生活環境・コスト】
・オンキャンパスの寮は充実しているが、料金が異なる。抽選によって決まるので、ロースクールからかなり離れた寮になる可能性もある。
・安い部屋は単身だと$1,800〜1,900だが、ロースクール隣の寮の部屋は1K相当で約$2,500を超えることも。
・生活費は高めだが、キャンパス周辺で完結させるのであれば車は不要(電動スクーター、Uber、電車で十分)。ただし、車があった方が圧倒的に便利で行動の幅も広がる。
・治安は良好で、深夜の外出も問題なし。
【授業・学習環境】
・全体的に勉強量は多いが、単位取得のハードルはそれほど高くない。
・他学部の授業も受講可(枠の上限あり)。
・各コースで必修・選択必修があり、これとNY Bar受験のための必須科目を考えると、コース選択の自由度は低い。必修等の縛りが比較的緩いのはLSTプログラムと思われる。
・スタートアップや知財関連の先端授業は意外に少なく、伝統的な法律科目が中心の印象。
・最先端のアントレプレナーシップ系・データ系・知財系の授業は他学部で開講されていることが多い。
・スタンフォードは3学期制(fall, winter, spring)だが、全員で入門講義を受けるpre-fallがあるので、実質4学期制に近い。卒業が6月中旬になるため、NY Bar受験者はスケジュールに鑑み事前に準備をしておいた方が良いと思われる。
【生活の特徴】
・サンフランシスコから車で1時間弱かかる田舎に位置しているため、娯楽は少ない。勉強に集中するには良い環境。
・キャンパス内で閉じこもることが多いが、自転車や電動スクーターがあると便利。車があるとさらに便利。
・週末にヨセミテやナパ、サンフランシスコ、モントレー等への小旅行を楽しむことも可能。
【ロースクールについて】
・スタンフォードは4つのプログラムに分かれているのが特徴。各プログラム15名から20名程度で、日本人はそれぞれ2名程度。
① CORPORATE GOVERNANCE & PRACTICE(CGP)
② LAW, SCIENCE & TECHNOLOGY(LST)
③ INTERNATIONAL ECONOMIC LAW, BUSINESS & POLICY(IELBP)
④ ENVIRONMENTAL LAW & POLICY(ELP)
・秋学期のスタートの前に、8月下旬から3週間のPre-Fall学期がある。ここでは週5日間朝から夕方までIntroduction to American Lawとprofessional Responsibilityを受講する。他のLSと異なり3学期制を採用しており、9月から12月の秋学期、1月から3月の冬学期、4月から6月の春学期に分かれる。卒業は6月中旬であり、バーの準備期間が短いのがネック。
【ELPについて】
・ELPは環境法、エネルギー法、気候変動法を学ぶプログラムである。
・代々、日本人は再生可能エネルギー、プロジェクトファイナンスのバックグラウンドを持つ企業法務事務所の弁護士が多い。
・授業・学習環境としては、ELPはカリキュラムの自由度が低く、環境関連法の授業を4つ、LS外の環境系の授業を3単位取ることが必須である。さらに、卒業論文(8,000 words)もある。個人的には、代替肉(オルタナティブミート)に関するLS外の授業が良かった。毎回シリコンバレーの実業家を招待し、代替肉の試食ができる。グループプロジェクトも面白かった。
・Applicationの過程で面接がある。TOEFLは105を少し上回るくらいで合格実績がある。
【生活面について】
・気候は温暖で、日差しが強い。冬は雨が多い。治安は非常に良いが、窃盗や強盗の例もある。
・寮は基本的にキャンパス内。家族向けの寮は、70㎡くらいの2階建で約$2,700/月(年々上がっている)。子供が遊べるコートヤードを囲む形で家族寮が配置されており、家族コミュニティがあり、子育てがしやすい。洗濯機&乾燥機が部屋になく、毎日、共用ルームまで移動しないといけないという不便さがある。緑の多い環境で、家に虫が入ってくることも日常茶飯事。
・キャンパス内に保育園がいくつかある。費用は$2,000〜2,500/月くらいで、補助で$1,500程度になる。保育園を使うかどうかに関わらず、アプライすれば匿名の篤志家からの寄付で年間最大$20,000の家族向け補助を受けられる。アプライは簡単で、子供が2人以上いれば大抵満額支給される印象。
・キャンパスは広大(杉並区とほぼ同じ面積)。ショッピングセンター等に出る際は無料のシャトルバスを使う。公共交通機関は不便で、陸の孤島のような場所にあるので、車があった方が良い。キャンパス内で簡単にZipcarを見つけられる。
・旅行では、サンフランシスコ、ナパバレー、モントレー、サクラメント、ヨセミテに車で行けるし、飛行機を使えばロサンゼルス、ラスベガスにも出やすい。
■ 選考について
以下の4つのコースがあるところ、CGPについてはTOEFLは110点以上が目安になるようだが、他はTOEFLが100点以上あれば、パーソナルステートメントで経歴やバックグランドが出願するコースにしっかりとフィットしていることを示し、インタビューでも英語力に問題がないことをアピールできれば、合格の可能性は十分にある。
・CORPORATE GOVERNANCE & PRACTICE(CGP)
・ENVIRONMENTAL LAW & POLICY(ELP)
・LAW, SCIENCE & TECHNOLOGY(LST)
・INTERNATIONAL ECONOMIC LAW, BUSINESS & POLICY(IELBP)
インタビューについては、オンラインで行われるので、予めあらゆる回答を用意しておいてなんでも答えられるようにしておくなどの準備をしておくと良いと思われる。
これまでの自らの経験を基に、ロースクールにどのように貢献して、どのような経験を積んで、その後の人生にどのように生かしていくかというストーリーを筋道だって伝えられると良いと思われる。
■留学生活・授業
スタンフォードは、一部のLLM生の必修授業を除き、全てJDと一緒に受講するため、いずれの授業も予習や課題が多く、楽な授業はない。
とはいえ、期末ごとのExamは、通常択一と論文の両方が出されることが多いので、択一でしっかりと点数を取ることができ、論文でもそれなりに書ければ、単位を落とすということはないと思われる。
個人的には、エビデンス等の伝統的な法分野に関する授業以外にも、いわゆるソフトスキルを磨く授業として、パブリックスピーキング(話し方や発声の仕方等を含むスピーキングスキル全般を学ぶ)や、サイコロジカル・デベロップメント(心理学、医学、宗教学等の側面から自己理解を深める)の授業は面白かったしオススメ
他国のLLM生を見ていると、英語力はもちろん積極性も段違いであり、得られる知識や人脈に大きな差がある印象。限られた英語力であっても積極的にチャレンジしていくのがオススメ
■住居・生活環境
夫婦で入居する寮だと40㎡程度で月2600ドル。必ず入寮できるが部屋の当たり外れあり。
洗濯機・乾燥機は部屋の中にはなくて共用となる(ただし無料)
公園が近く、家族連れに優しい環境
治安は良好で、それゆえスタンフォードには門がない。
サンフランシスコ等は意外と遠く(車で40分程度)、公共交通は不便なので、日常生活を楽しむには車は必須
日常的なレジャーだと、ハイキングなどの自然が一番メジャーになる。
少し足を延ばす場合には、ロードトリップでカリフォルニア中を車で旅行するのはオススメ。自然から都会から色々楽しめる。
少人数制で、各学科ともそれぞれ学生は15-20人程度。特定国への学生の偏在は無く、世界各国の学生と満遍なく密に仲良くなれる。JDも少人数で、LLMと混在で授業を受けるため、JDとの交流機会も多い。
全体の学生数が少ないので、各授業の人数も少なくディスカッション中心。コロンビアから来た教授が「SLSの最大人数の授業がコロンビアでの小教室の授業くらい」と言っていた。
シリコンバレーの中心であり、有名起業家やVCが学内をフラフラしている。授業にも気軽に来る。
必修科目が多数あるELPを除き、授業選択の自由度が高い。コンピュータサイエンスやMBAの授業も履修ができ、多くの学生が他学部の授業をとっている。
要求される英語スコアは、4つの学科により異なる。
自身が在籍したCORPORATE GOVERNANCE & PRACTICE (CGP)は要求水準が高く、TOEFL110が最低限、できれば110台中盤が欲しい。CGPの日本人は帰国子女率が高く、外国人学生も英語圏出身者が大半。
LSTやELPはTOEFLの点があまり出なくても合格する例がある。
合格率は、私の在籍年度だとCGPで5%程度と学校関係者から聞いた。学科によって合格率に比較的ばらつきがあるよう。
受験プロセスでは電話インタビューがあるのが特徴的。
キャンパスビジットをしておくと有利になると噂されている。