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ロースクールランキング
Best Law Schools (U.S. News): 総合17位 (2021)
場所
ミズーリ州セントルイス市
人数
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コスト
学費: $64,488 (2022-2023)
生活費等を合わせた必要予算: $89,678 (2022-2023)
公式ウェブサイト
英語要件(公式)
無し
英語要件(非公式)
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ワシントン大学ロースクール(通称WashU Law、ワシントン州ではなくミズーリ州セントルイスのほう)は人を選ぶスクールだと思います。私は留学生活を大変有意義に過ごせましたし、セントルイスという街も好きになり、WashUを選んで良かったと満足しています。
○良いところ
・近年ランキングがT14に接近しているように、JDクラスの授業の質が良いです。教授は親切な方が多く、学生間も協力し合う雰囲気です。教授が留学生の私を気にかけて色々ケアしてくださったり、ありがたく感じた記憶は一つや二つではありません。
・ロースクールの図書館は広く、静かで勉強しやすいです。都市部の大学だと図書館が小さく、学生が全員座れない場合もあると聞いたことがありますが(真偽不明)、WashU Lawではまず考えられません。
・LLM生のNY bar受験支援に力を入れ始めてきており、出願要件を満たすLLM onlyの講義が充実しています(各科目3単位)。2025年はconstitutional law, corporations, contracts, civil procedure, property, torts, legal professionで、他の必修ライティング・リーガルリサーチ等も合わせれば、26単位をLLM onlyで埋めることが可能。(※卒業には24単位が必要なので、LLM onlyだけで卒業も理論上できる)
・JDは優秀ですが、LLM留学生はレベルがそこまで高くはなく、LLM onlyの授業なら真面目に勉強するだけで【絶対に】良い成績が取れます(私が絶対に、と強調するのは、後述の良くない部分に理由があります)。よって、少なくとも学業で何もかもダメで追い込まれるという事態にはほぼならないと思います。私はロースクールも留学も初めてで怯えていたので、この点は強力な精神安定剤になりました。ただ逆に言えば、世界のエリートと意見交換して切磋琢磨して…等という意識高い目標はあまり達成できません。
・田舎で生活費が安く、円安下で家族留学してもなんとかなります。住居は学生寮がない代わりに民間でも十分安く、家賃1200ドルの破格で大学に近い2bedを借りることができました(なお、独身者は1人700〜800ドルくらいでルームシェアしている人が多いイメージです。)。ガソリン代もNYの2/3くらいです。セントルイスは無料アクティビティが多く、アメリカ7大動物園のSaint Louis Zooもまさかの無料、しかも他州で高い金を払って入る動物園よりクオリティが高いです。
・大学の保育園にフルタイムで入れても月1300ドル程度で、私は2人入れたところ、割引で計2000ドルになりました。また、公立小学校併設の保育園がセントルイス市にはあり、新年度の8月時点で3歳になっていれば無料で入れることもできます(隣接するセントルイス郡には無し)。ただし学校を選ばないと、生徒の95%が黒人に偏った公立が多いことには要注意です。
・交通の便は意外と悪くないです。メトロやバスが通っており、WashUの学生は無料で乗れます。加えて大学からのシャトルバスも複数ルートあり、単身なら車無しで過ごせます。夜間には大学の無料バスタクシーまで出ています。ただし、公共交通機関は治安が悪いと言って乗らない人が多く、とくに白人学生や日本人含むアジア人の多くは避けていた印象です。私は気にせず通学に使っていましたが、たまにマリファナ臭を感じたり、何か食べ物をくれとホームレスに言われたり、黒人が叫んだり爆音で音楽を流しているくらいで、危険な目には遭いませんでした。
・治安が悪いと書かれたりしますが、実際はそんなに問題ない気がします。一部のエリアは本当にまずそうですが…
・セントルイスは優しく大らかでフレンドリーな人が多く、家族で過ごしやすく、流れる時間はゆったりとした印象です。小さい子連れで散歩すると、ほぼ確実に誰かにニコニコ話しかけられます。NY旅行したときに、セントルイスとノリが結構違うなと感じた覚えがあり、細かいエピソードだと、セントルイスのTrader Joe'sでは子供に大量のステッカーをくれますが、東海岸では総じてちょろっとしか貰えず驚きました。また、飛行機でセントルイス行きに乗る時だけ、なぜか「可愛い子供ね」と機内で必ず話しかけられます。こういう些細な大らかさ、温かさを生活のあらゆら局面で感じる、といえば伝わるでしょうか。
・英語力がなく認識できなかっただけかもしれませんが、留学中にアジア人だからと差別的言動や暴言を浴びた記憶はありません。周りでも被害にあったという声は聞きませんでした。
○良くないところ
・【最大の欠点】LLM・MLS全体で150人ほどいる留学生のうちの8割が中国人です。中国の大学とのDual Degreeもあるらしく、母国での関係をそのまま持ってきてる人が多く、中国人軍団が中国語で話しまくっている光景を随所で見ます(中国人から見ても、自分の国の人間多すぎじゃない?と感じるそうです)。勉強そっちのけで観光気分で来ている金持ち学生の割合も多いように感じました。中国人だから悪いという話ではなく、単純にdiversityが無さすぎます。
・TOEFLすら受けず、Duolingoで入学してきている学生がかなりの数います。よって、LLM生の中には、純ジャパから見ても目を覆いたくなる英語力の学生も一部見られます。もちろん、英語ペラペラの学生も多くいます。
・このような状態を大学側も重々理解しているためか、LLM onlyの授業はあまりに内容が簡単で、クオリティもJD classに比べて相当低いように感じました。私はLLM onlyの授業はほぼA+でしたが、JDクラスでは並より上くらいの成績でした。
・JDクラスをLLM学生が取る場合、期末ではJD学生のみで成績のカーブを作り、そこにLLMの学生を素点毎に入れていく成績システムを採用しています。つまり、JDクラスではネイティブの優秀な学生と対等に採点され、LLMだからと言って成績が甘く付けられることはありません。よって、中身のあるJDクラスを取ると成績がかなりキツくなるリスクがある一方、LLM onlyにするとクオリティが低いというジレンマがあります。
・中国人があまりに多すぎるためか、欧州や中南米から来た学生は非アジア系、アフリカ系は黒人の輪で固まりがちになります。すると、数少ない日本人や韓国人は中国人と同じアジア系として一括りで距離を置かれる傾向となり、それでいて中国人コミュニティにもどっぷりは入り込めず孤立しがちになります。私は中国人内で若干浮いていた中国人や韓国人と仲良くなったり、アラブ系の学生とちょいちょい交流があったものの、一般的に日本人が期待する国際ネットワーキングはスクール内ではさほど望めません。
・セントルイスでの日本人コミュニティは内訳が偏っており、日本人との交流もそこそこ欲しいという人には向いていません。ロースクールには日本人は全部で2〜3人しかいない一方、離れたメディカルキャンパスには20人くらい?のお医者さん(ほぼ全員子連れ)が研究に来ていますが、基本的に会うことは少ないです。駐在員もチラホラいるらしいですが、生活圏は全く別です。
・海がなく、夏は暑くて冬は寒いので(最高43℃〜最低-20℃) 、東京よりは気候がきつく感じました。
○こういう方にオススメ!
・家族留学で来ていて、友達作りよりは家族での時間を大切にしたい方。家族で過ごすならいい環境ですが、独身で来ると寂しいかなと思います。来るなら外国人とルームシェアするとか、早々にアプリ等で恋人を作るとか、何らかの濃密な関係を持てる人がいないと孤独です。
・子供に英語の経験を積ませたい方。保育園は他州よりかなり安めですし、セントルイス市に住めば、公立保育園に無料で入れます。うちの子供達は英語ペラペラになりました。
・ローでのソーシャルが少なめでも、さして気にならない方。私は勉強を頑張ろうと思って留学しており、あまり社交の機会に比重を置いていなかったので、むしろ好都合くらいに感じていました。他のスクールに行って、みんなが多国籍でワイワイやってるなかで1人勉強というのは、寂しく感じてしまったかもしれません。
・日本人と頻繁に交流しなくても平気な性格の方。また、自分は大丈夫でも、配偶者や子供がそれで問題ないか。うちは私も妻もぼっち気質のため、保育園や妻のESLでできた友達と、自然体で家族ぐるみで仲良くしたりしていました。結果として、ロースクールに限らず色々な属性・国・人種の人と交流できたので、大変いい経験になりました。
・アメリカ留学したいがカネがないという人には有力な選択肢です。NYやCAで同じ生活レベルをしようと思ったら、最低でも2倍はかかっていたと思います。また、前述のとおりLLM生はそこまでレベルが高くないので、優秀な経歴の方ならそこそこ奨学金がつくと思います。
・人混みが苦手な方。セントルイスは最盛期から人口が1/3に減少しており、そのためか、街の広さに比して人が相当少なくゆったりした印象です。
・変化球で、中国語や中国文化も勉強したい方。中国にも留学経験のある韓国人学生が、夜な夜な開かれる中国人学生のパーティーによく参加していた記憶があります。私も2,3回は招待されて参加しましたが、ゲームに負けたらテキーラを飲んだり、かつての恋バナ()()を罰として話せ、みたいな、若き日の宅飲みを思い出すような感じで楽しかったです。
・野球観戦かゴルフが好きなら、カージナルススタジアムへのアクセスは良いですし、至るところにゴルフコースがあるので楽しめるかもしれません。ただ、この点は私がそうではないので良くわかりません。
ネガティブ?なことも正直に書いてしまったものの、住めば都という格言もあり、来たら来たで自分なりの楽しみを見つけられると思います。また、円安下で生活費がリーズナブルというメリットは見逃せません。
少なくともうちの家族は、将来子供をWashUに入れてもいいかもね、と話すくらいには、大学もセントルイスもお気に入りになりました。日本で仕事ばかりしているよりは確実にいい経験ができたと断言できます。
2021年秋からのLLMプログラムに出願し、2021年2月末にZoom Interviewがありました。その中で、TOEFLのminimum scoreは84点だと言及がありました。